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Gubler, P.; 佐藤 大輔*
JPS Conference Proceedings (Internet), 26, p.024023_1 - 024023_5, 2019/11
本講演では最近の発表論文に基づき、vectorチャンネル(光子と同じ量子数を持つ状態)のスペクトル関数に関して導出したいくつかの厳密な和則を紹介する。摂動計算ではこの和則が成り立つことや、格子QCDへの応用についても議論する。
山田 進; 町田 昌彦; 今村 俊幸*
情報処理学会論文誌; コンピューティングシステム(インターネット), 45(SIG6(ACS6)), p.161 - 170, 2004/05
強相関電子系の電子状態を求める際に現れる超大規模なハミルトニアン行列の固有値のベクトル・並列計算法を提案した。このハミルトニアン行列は小さい行列の直積の形で表せるため、本研究ではその構造を利用し、ベクトル計算する際のメモリアクセスが連続や奇数等間隔になるような計算方法を提案し、実際の計算から通常用いられているアクセスが間接指標となる方法より約4倍高速に計算できることを確認した。また上記の行列の形を利用し、通信量及び演算が均等に分割されている並列計算方法を提案した。これらの提案手法により1次元24サイトのd-pモデルに対応する約180億次元のハミルトニアン行列の最小固有値及び固有ベクトルを地球シミュレータを用いて計算し、提案した並列計算手法は均等に負荷分散ができ、また通信の待ち時間が少ないため、通常用いられる並列計算手法より45倍高速に計算できることを確認した。
西川 裕規; 薄田 学; 五十嵐 潤一*; 小路 博信*; 岩住 俊明*
Journal of the Physical Society of Japan, 73(4), p.970 - 975, 2004/04
被引用回数:6 パーセンタイル:41.15(Physics, Multidisciplinary)GeのK吸収端のエネルギーは硬X線領域に属する。したがってGeの電子系と電磁場の間での運動量移行は無視できなくなる。そこで共鳴X線非弾性散乱スペクトルの散乱ベクトル依存性の有無が興味の対象となる。以上述べたことを動機としてGeのK吸収端での共鳴X線非弾性散乱の実験とその理論解析を行った。結果として実験結果と理論解析はよい一致を示した。またGeの場合、共鳴X線非弾性散乱スペクトルの散乱ベクトル依存性はほとんど無いことが実験,理論的に確認された。これは内殻電子の寿命幅がGeの伝導バンド幅と等しいことによって共鳴X線非弾性散乱スペクトルが価電子バンドのp電子の状態密度の重ね合わせで書けるという事由によることが理論的にわかった。一般的に言って、硬X線領域での共鳴X線非弾性散乱の実験で価電子バンドの分散を決定するのは難しいと結論した。
Guillot, J.*; Beaumel, D.*; Van den Berg, A. M.*; Brandenburg, S.*; Davids, B.*; Fortier, S.*; 藤原 守; Gals, S.*; Harakeh, M. N.*; Hunyadi, M.*; et al.
Nuclear Physics A, 731, p.106 - 113, 2004/02
被引用回数:4 パーセンタイル:30.85(Physics, Nuclear)超伝導サイクロトロンAGORで新しく開発された130MeVトリチウムビームを用いてCoのアイソベクトル型巨大共鳴を研究した。角度分布が測定され、その微分断面積をDWBA解析した。単極子共鳴が1027Mevに分散して存在していることがわかった。理論計算とかなり一致している。
原子力コード研究委員会原子力コード評価専門部会
JAERI-Tech 2003-078, 107 Pages, 2003/11
核分裂性物質を含むユニット間の中性子結合の弱い相互干渉系を対象とするモンテカルロ法臨界計算では、解の収束緩慢性が問題になることがある。本報告では、この種の問題に対する適切な判断と解決方法の手がかりを与えられるように、基礎的な臨界計算の理論と収束性にかかわる応用理論を主として述べてある。このためには、この科学技術分野にかかわる論文の現状調査を広く行って、その内容を検討・参考とし、必要に応じてガイド資料に引用した。さらに、核分裂マトリックス固有ベクトルを利用したモンテカルロ法臨界計算の収束性加速及び判定方法の開発を行い、経済協力開発機構原子力科学委員会(OECD/NEA/NSC)の臨界収束性専門家会合で提案されたベンチマーク問題の多種多様な物理体系により手法の検証を行った。
Zegers, R. G. T.; Abend, H.*; 秋宗 秀俊*; Van den Berg, A. M.*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; Gals, S.*; 原 圭吾*; et al.
Physical Review Letters, 90(20), p.202501_1 - 202501_4, 2003/05
被引用回数:49 パーセンタイル:84.98(Physics, Multidisciplinary)410MeVでのPb(He,)反応を用いてアイソベクトル型巨大単極子共鳴の励起と崩壊モードを研究した。Biのこの共鳴は605%の和則を尽し、29MeV51MeVに存在することが初めてわかった。共鳴の中心エネルギーは371MeVで、その幅は143MeVと決定した。陽子崩壊の分岐比は5212%であった。
Titov, A. I.; Lee, T.-S. H.*
Physical Review C, 66(1), p.015204_1 - 015204_12, 2002/07
被引用回数:50 パーセンタイル:89.11(Physics, Nuclear)中間子の光生成における核子共鳴の役割を、生成閾値付近のエネルギー領域で理論的側面から研究した。核子共鳴による反応振幅の計算には、実効ラグランジアンによる手法を用いた。その結果、核子共鳴の寄与は、光生成反応の微分断面積の分布を変えるほど大きいことがわかった。また、用いた計算手法の実験的検証は、スピン非対称性の測定によって可能であることを示した。
望月 祐志*; 松村 昌幸*; 与倉 徹一*; 平原 幸男*; 今村 俊幸
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(2), p.195 - 199, 2002/02
被引用回数:5 パーセンタイル:34.51(Nuclear Science & Technology)DIRACは、2電子積分から直接Fock行列を計算することにより大規模なDirac-Hartree-Fock計算が可能なソフトウェアである。積分の寄与を計算する際、コストの大きい交換項ではアドレスの衝突が起こるために単純なベクトル化はできない。今回、作業配列を導入することによりベクトル化を達成した。また、前段階のスクリーン処理も合わせてベクトル化した。ベクトル化率は、この結果90%を超え、Dirac-Hartree-Fockで2倍,線形応答では約3倍の加速が得られた。なお、この研究は地球シミュレータ用のソフトウェア整備の一環として行ったものである。
山田 進; 清水 大志; 今井 隆太*; 君塚 肇*; 加治 芳行; 蕪木 英雄
計算工学講演会論文集, 6(1), p.233 - 236, 2001/05
日本原子力研究所では科学技術計算に比較的多くあらわれる基本的な数値計算である連立一次方程式の反復法,固有値問題,フーリエ変換,擬似乱数生成の各ルーチンについて、メッセージパッシングを用いた並列計算ルーチンを開発している。この並列計算ルーチン群は並列数値計算ライブラリPARCEL(Parallel Computing Elements)として公開されており、実際に数多くの国内外の大学等の研究機関で利用されている。本研究では、PARCELの連立一次方程式の反復解法を用いてベクトル並列計算機上で構造解析を行い、その結果からデータの格納法や前処理等についての並列性能を評価した。
萩原 一郎*; Li, W.*; 仲田 晋*; 山田 進
計算工学講演会論文集, 61(1), p.205 - 208, 2001/05
日本原子力研究所では並列計算機用数値計算ライブラリPARCEL(Parallel Computing Elements)を開発、提供している。PARCELは連立一次方程式,固有値問題,擬似一様乱数及び高速フーリエ変換(FFT)のルーチンで構成されている。PARCELは基本的に分散メモリ型スカラ並列計算機を前提として開発されたものであり、近年の大規模科学技術計算で利用されているベクトル並列計算機上での性能は十分でないことが考えられる。そこで、本研究ではPARCELの数値計算プログラムのうちFFTについて、使用する計算機のアーキテクチャの性能を十分に活用するための改善を行い、ベクトル並列計算機上で高速に計算するためのルーチンを開発した。また、ベクトル並列計算機VPP300及びSX-4を用いた性能評価から実際に高速化することを確認した。
Zegers, R. G. T.*; Van den Berg, A. M.*; Brandenburg, S.*; 藤原 守; Guillot, J.*; Harakeh, M. N.*; Laurent, H.*; Van der Werf, S. Y.*; Willis, A.*; Wilschut, H. W.*
Physical Review C, 63(3), p.034613_1 - 034613_11, 2001/03
被引用回数:15 パーセンタイル:66.89(Physics, Nuclear)Pb(He, t)反応を177MeVで測定した。励起エネルギー30MeV~45MeV領域にあるアイソベクトル型モノポール共鳴をこの実験は強く示唆した。
襲田 勉*; 丸山 訓英*; 鷲尾 巧*; 土肥 俊*; 山田 進
情報処理学会論文誌, 41(SIG8), p.92 - 100, 2000/11
共有メモリベクトル並列計算機の演算性能を最大限に引き出すような、ランダムパース行列のためのBlock(ブロック)ILU前処理付き反復法のベクトル・並列化手法を提案し、その手法を並列ベクトル型スーパーコンピュータSX-4(SRAM版,1CPUのピーク性能2GFlops)上で性能評価した結果を示す。ここでブロックとはある格子点上に定義された複数の未知数からなる集合とする。ベクトル処理をすることが難しいとされるBILU前処理演算のベクトル化のためにIDS-JAD(In Dependent Set Jagged Diagonal)形式を導入し、共有メモリベクトル並列化のためにMJAD(Multiple JAD)形式を導入した。IDS-JAD形式の導入により間接アドレス参照によるメモリアクセスの負荷が低減され、不要な演算を除去できる。MJAD形式の導入によりCPU間の周期回数が低減できる。3次元構造解析問題(GeFEM Tiger V1.0)を用いた約100万自由度の評価例題を使った数値実験において、1CPUで1.0GFlops,8CPUで6.8GFlopsを達成した。
横川 三津夫; 谷 啓二
RIST News, (30), p.24 - 30, 2000/10
宇宙開発事業団、日本原子力研究所及び海洋科学技術センターは、現在、高度な数値シミュレーションにより全地球レベルの複雑な諸現象を計算機上で忠実に再現するために必要な超高速並列計算機システム「地球シミュレータ」の開発を実施している。地球シミュレータ研究開発センターは、この開発を共同で実施するための共同事務所であり、平成10年度に現在の体制が整備された。本稿では、地球シミュレータ研究開発センターが実施している地球シミュレータ開発について紹介する。
武井 利文*; 松本 秀樹*; 村松 一弘; 土肥 俊*
可視化情報学会誌, 20(suppl.1), p.115 - 118, 2000/07
リアルタイム可視化システムRVSLIB(Real-time Visual Simulation LIBrary)を開発してきた。本システムは、大規模非定常数値シミュレーションに対するリアルタイム可視化と大規模蓄積データに対するポストプロセッシング用に開発されている。このシステムでは、ほとんどの可視化処理を計算サーバ上で実行し、生成した画像を圧縮し、ネットワークを通して端末へ転送する。これによって、計算サーバから端末に計算結果を転送する場合に比較し、データ転送量を大幅に削減し、インターネットを含む広域のネットワーク分散環境での可視化を可能にしている。一方、可視化処理が計算サーバのCPUリソースを消費するため、その高速化が必要である。本論文ではシステムの概要とともに可視化処理性能を示し、大規模非定常数値シミュレーション結果の可視化にとって計算サーバ上での可視化処理方式が実用的な手段であることを示す。
Zegers, R. G. T.; Van den Berg, A. M.*; Brandenburg, S.*; Fleurot, F. R. R.*; 藤原 守; Guillot, J.*; Hannen, V. M.*; Harakeh, M. N.*; Laurent, H.*; Van der Schaaf, K.*; et al.
Physical Review Letters, 84(17), p.3779 - 3782, 2000/04
被引用回数:15 パーセンタイル:65.43(Physics, Multidisciplinary)2wの励起状態にあるアイソベクトル型単極子巨大共鳴がPb(He,tp)反応(E(He)=177MeV)で研究された。巨大単極子共鳴が-45Q-30MeVにあることが同時計測実験でわかった。微分断面積が計算と比較された。観測された強度は陽子崩壊の分岐が20%に達することがわかった。
川井 渉*; 海老原 健一; 久米 悦雄; 渡辺 正
JAERI-Data/Code 2000-024, p.151 - 0, 2000/03
MPI(Message Passing Interface)ライブラリを用いて、格子ガス気液モデルによる流体現象のシミュレーションコードの並列化を行った。並列化によって、より大規模なシミュレーションを行うことが可能となった。また、分散メモリ型ベクトル並列計算機VPP500、分散メモリ型スカラ並列計算機AP3000、ワークステーションクラスタにおいて実行した結果、実行時間がほぼプロセッサ台数に比例して減少した。
奥村 啓介
RIST News, (29), p.10 - 16, 2000/03
MOSRA-Lightは、4次の多項式展開ノード法に基づく定常3次元中性子拡散計算コードである。ノード法はメッシュ分割の大きさに敏感でないため、中性子の平均自由行程が短い体系であっても20cm程度の粗いメッシュを使用して正確な計算が可能である。その結果、3次元問題においては未知数の数が格段に少なくなり、非常に高速な計算が可能となる。さらに、本コードでは、新たに開発したベクトル計算機に適した「境界分離チェッカーボードスウィープ法」を採用している。この手法は、問題の規模が大きくするほど高速化法も増大する特長がある。ベクトル化とノード法の両効果を併せると、有限差分法に基づくスカラ計算コードの1000倍以上の高速計算が可能となる。本報では、したMOSRA-Lightコードの機能と高速化手法について紹介する。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*
JNC TJ7400 2000-006, 159 Pages, 2000/02
地層科学研究においては、ボーリングをはじめとする多種多様のデータに基づき地質構造を解析・モデル化し、その結果を3次元的に可視化するとともに、これらの情報に基づき透水係水場を推定して地下水流動解析を行うことが重要である。そこで、これらの評価・検討を支援するシステムとして、各種地質データの解析を支援するLand Mark、地質構造モデルの構築を支援するEarth Vision、透水係水場を推定し地下水流動解析を行うFrac-Affinityから構成される「地質環境データ解析・可視化システム」を平成9年度に開発している。しかし、上記ソフトウエアのうち地下水流動解析を行うFrac-Affinityは、解析対象が飽和解析に限定されていたことから、超深地層研究所の建設に対応してコードを飽和・不飽和解析に拡張することが必要となっていた。そこで本業務では、昨年度の検討を通じてコード拡張の理論的可能性が明らかにされたのを受け、ソルバー等の改良によりFrac-Affinityを飽和不飽和解析に拡張するとともに、超深地層研究所に関連する地下水流動解析の中で実施時期の観点から最も優先順位が高いと考えられる、立坑掘削の影響評価解析に必要なコードの改良を行った。主なコードの改良点は次の通りである。・コードの飽和不飽和解析への拡張・ソルバーの改良による解析可能最大接点数の向上・入出力インターフェースの改良、具体的には主として以下の事項 飽和不飽和解析に対応した入力項目の追加 差分メッシュ(Frac-Affinityネットワーク)や流速ベクトルの可視化 エラー情報の充実・飽和不飽和解析に対応した境界条件(自由浸出、涵養)の追加・立坑掘削を模擬するための内部境界の形状や境界条件の経時変化を取り扱う機能の追加・差分メッシュ(Frac-Affinityネットワーク)構築方法の改良と、部分的に差分メッシュの密度を調整する機能の追加 これに加えて、飽和・不飽和地下水流動解析に対して拡張したFrac-Affinityにより、立坑掘削の影響解析を含む一連の試解析の実施し、Frac-Affinityの飽和・不飽和解析、特に立坑掘削の影響の評価に対する基本的な適用性を確認した。また、「地質環境データ解析・可視化システム」では、Land Mark、Earth VisionならびにFrac-Affnityの有機的な
三宅 康洋*; 中根 茂*; 西村 元彦; 木村 暢之
JNC TN9400 2000-016, 40 Pages, 1999/12
従来、多次元熱流動解析コードを用いた解析結果の可視化については2次元のプロットを各断面毎に日本語ラインプリンタ(NLP)へ出力することで対応していた。しかし、現象を把握するためには非常に多くのプロットを出力する必要があることから、時間と手間がかかり、解析結果を即座に確認することができなかった。また、出力結果は白黒描画であることから、視覚的に現象を把握するのが困難であった。そこで、熱流動現象の可視化ツールとして学術界および工業界で信頼性の高いMicroAVS(参考文献)およびFieldView(参考文献)を導入し、短時間で、かつ効率的に説得力のある解析結果の表示を得ることを目的として、多次元熱流動解析コードから可視化ツールへの物理データの引き渡しを行うポスト処理システムを構築した。その結果、これまで紙面上でしか確認できなかった解析モデル構造および解析結果をパソコン画面上で容易かつ迅速に確認できるようになった。さらに、カラー表示・印刷が可能となり、報告書等に掲載するプロットに品質の高い説得力のある表示(画像)を扱うことができるようになった。また、過渡熱流動現象解析に対して、可視化ツールのアニメーション機能を用いて現象の時間推移を動画で確認できるようになり、過渡現象を視覚的にとらえることが可能となった。
折居 茂夫*
プラズマ・核融合学会誌, 75(6), p.704 - 716, 1999/06
プラズマ粒子コードのための、ベクトル並列計算法を示す。この計算法は、並列処理において、性能と問題の大きさに対してスケーラブルである。特にベクトル並列計算機で問題となっていた、問題の大きさに対するスケーラビリティを、性能を損なうことなく、むしろ向上する方向で解決した。この計算法の性能に対するスケーラビリティをVPP300とSX-4で確認したので、これを示す。また、VPP300、SX-4及びSP2の性能評価から、プラズマ粒子コードの性能のボトルネックは、データのロード・ストアであり、従来のFlop/s値の評価のみでは、性能評価としては不十分であることがわかった。